水には軟水と硬水があります。
普段皆さんが飲んでいる水道水はどちらか知っていますか？
ただ、どちらだからよいというわけではありません。それぞれの良さ、使い勝手があるんです。
今回は軟水と硬水の違いを勉強していきましょう。
軟水と硬水の違い
ズバリ水分に含まれるカルシウムとマグネシウムの量【＝硬度（こうど）】によって、軟水と硬水は分けられています。
水1Lあたりにどれだけカルシウムとマグネシウムが含まれているかがポイントです。
硬度の低い水を軟水と呼び、高度の高い水は硬水と呼ばれます。
硬度の基準はバラバラ
軟水と硬水を分ける硬度の基準、実は国やメーカー、WHO（世界保健機関）によってもバラバラなんです。
WHO（世界保健機関）では
軟水：硬度120mg／L以下
硬水：硬度120mg／L以上
WHOではカルシウム・マグネシウムの含有量が比較的多い水を硬水。少ない水が軟水とされます。
日本では
軟水：硬度100mg／L以下
硬水：硬度100mg／L以上
軟水と硬水は見ただけでは全くわかりませんが、軟水は飲み心地が軽く、硬水はしっかりしていて少しのどにグッとくる重さがあります。
日本の水道水は軟水？硬水？他の国は？
ちなみに日本の水道水は軟水と硬水のどちらでしょう。地域によって含まれる物質に差はありますが、硬度100mg以下の軟水とされています。（平均60mg前後）
アメリカの場合は日本のように、60mg前後の地域もありますが、場所によっては100mg～400mgと硬度の高い地域も。シカゴ120mg、グランドキャニオン360mg、ラスベガス400mgといった感じです。
ヨーロッパの水道水は全体的にどこも硬度は高めです。パリ（フランス）だと280mg、ミラノ（イタリア）270mg、コペンハーゲン（デンマーク）350mg、マジョルカ（スペイン）500mgなど。
硬度が高い海外のお水は日本人にとって飲みにくく感じる人も多いでしょう。
日本のお水はほとんどが軟水
日本の水道水は地下からくみ上げられた水を使用します。
雨が降り地下にしみわたるとき、地層にカルシウムやマグネシウムが多く含まれていると硬度が高くなり硬水なります。
日本ではカルシウムやマグネシウムを多く含む石灰岩を含む地層が多くありません。それが軟水の多い理由の一つです。
一方、ヨーロッパでは石灰岩を含む地層が多い。そのため硬水が多いのです。
市販のミネラルウォーターの硬度は？
スーパーやコンビニで買うお水の硬度はどのくらいなのでしょう。普段意識して飲んでいる人は多くないかもしれません。
いくつか有名商品のお水を見てみましょう。
※メーカーの表示を参考にしています。
南アルプスの天然水
出典：amazon.co.jp｜サントリー 天然水 南アルプス 550ml×24本 ナチュラルミネラルウォーター
・硬度：約30mg／L
・カルシウム：0.6～1.5mg／100mg
・マグネシウム：0.1～0.3mg／100mg
・ナトリウム：0.4～1.0mg／100mg
・カリウム：0.1～0.5mg／100mg
・ph値：約7
六甲のおいしい水
出典：amazon.co.jp｜アサヒ飲料 おいしい水 六甲 600ml×24本
・硬度：約40mg／L
・カルシウム：0.2～1.7 mg／100mg
・マグネシウム：0.1～1.1 mg／100mg
・ナトリウム：1.0～4.8 mg／100mg
・カリウム：0.02～0.18 mg／100mg
・ph値：-
ボルヴィック
出典：amazon.co.jp｜キリン Volvic(ボルヴィック) PET (1500ml×12本) [正規輸入品]
・硬度：約60 mg／L
・カルシウム：1.15 mg／100mg
・マグネシウム：0.80 mg／100mg
・ナトリウム：1.16 mg／100mg
・カリウム：0.62 mg／100mg
・ph値：7.0
エビアン
出典：amazon.co.jp｜伊藤園 evian(エビアン) ミネラルウォーター 500ml×24本 [正規輸入品]
・硬度：約304mg／L
・カルシウム：8.0mg／100mg
・マグネシウム：2.6mg／100mg
・ナトリウム：0.7mg／100mg
・カリウム：-
・ph値：7.2
市販のミネラルウォーターは軟水がほとんど。普段軟水を飲みなれている日本人には硬水の味は少し抵抗があるかもしれません。
軟水と硬水それぞれのメリット・デメリット
軟水
【メリット】
飲みやすい
カルシウム、マグネシウムが多い硬水はクセが強めです。それに比べて軟水は口当たりが軽く飲みやすい。
軟水と硬水の違いは飲んだらわかるよ
軟水は飲める硬水は飲み込もうとすると俺は吹き出してしまう— みかんくん (@Lays_mst) September 1, 2018
硬水は基本的に飲みにくい。
— サイコロ (@dice4039) August 24, 2018
https://twitter.com/R7i0opkHwQgvuPi/status/1028466491887243264
胃腸に優しい
硬水はマグネシウムを多く含むため、胃腸を刺激しやすい。飲むとお腹が痛くなるという人も。その点軟水は体に吸収されやすく胃腸にも優しい。あかちゃんのミルクにも安心して使えます。
https://twitter.com/bonappetiiiit/status/1035036053608980480
【デメリット】
ミネラルが少ない
硬水とくらべてカルシウム、マグネシウムが少ないためミネラルの量は少なめ。
人によっては味がもの足りない
まろやかで飲みやすいと感じる人がいる一方で、軟水の味はもの足りないという人もいるようです。
私は硬水とガス入りが大好きで、
軟水だと物足りないくらい。
今も目の前にガス入りが一本。— アム (@mammadiamina) January 18, 2018
硬水
【メリット】
ダイエット効果
あなたの周りにダイエット目的で硬水を飲んでいる人はいませんか？
硬水に含まれる豊富なカルシウムには脂肪の吸収を抑える効果が。
女性の間で話題になっているコントレックスの硬度は1468mgの超硬水。ミネラルを多く含んでいてその分脂肪燃焼効果があると言われています。
便秘解消
ダイエット効果だけでなく便秘解消の効果も。硬水を飲んでお通じよくなったという声も聞かれます。
コンタレックスがオススメ。水なんだけど、普通の水は軟水なんだけど、コンタレックスは硬水なんだー。お通じがめちゃくちゃ良くなるよ
— つっちー＠海人 (@tsuttchi0907) October 25, 2017
便秘の時は、硬水を飲むとお通じが良くなるぞ。
— 自我を持ってしまった米粒bot (@kome_tubu_san) August 27, 2018
生活習慣病の予防に
ミネラル豊富な硬水は、糖尿病、高血圧症などの生活習慣病の予防にもつながります。
カリウムには取りすぎたナトリウム（塩分）を減ら効果があるとされます。
【デメリット】
飲みにくさ
硬水の最大のデメリットと言ってもよいのが味です。ミネラル豊富な硬水は味が強く、飲みにくさを感じる人も多いのです。
胃腸に負担がかかる場合も
過剰なミネラルは時として胃腸に負担をかけることも。便秘解消効果のある硬水も人によっては胃腸に負担がかかりお腹痛くなることもあるようです。
久しぶりに硬水飲んだらお腹痛い
— リウム (@riumu19) August 27, 2018
軟水と硬水それぞれに合う料理？
おいしい料理にはお水が欠かせませんが、軟水と硬水のどちらが料理に合うのでしょう。
実はそれぞれ適したメニューがあるんです。
軟水に合う料理
クセがなくまろやかな軟水は和食にとっても合います。
だし
ミネラルが多い硬水だとうまみ成分であるグルタミン酸やイノシン酸が溶けだしにくい。また、マグネシウムやカルシウムがアクをつくってしまいます。一方その反対に軟水は和食に合う。昆布・鰹どちらのダシを取るのにも最適です。
煮物
お水をたっぷり使う煮物にも軟水ベター。軟水は浸透性があるため野菜に染み込みやすいんです。柔らかくフワッと仕上がります。
ごはん
ごはんを炊くにも軟水の方はお米がフワッと炊き上がります。硬水は少し固めの仕上がりです。
日本茶
日本茶は軟水の方が向きます。硬度が高いと旨味が抽出されにくいんです。
硬水に合う料理
牛肉の煮込み料理
肉のたんぱく質がミネラルとともに溶け出すため、肉質が柔らかく臭みなく仕上がります。
パエリア・ピラフ・チャーハン
硬水が合う料理はパエリア・ピラフ・チャーハンなど。パラパラのごはんには中硬水がおすすめです。
コーヒー
硬水のカルシウム分によって苦みがやわらぎ、酸味も引き立ちます。コーヒーをつくるときは基本的に硬水が向いているとされます。
まとめ
軟水と硬水の違いはわかりましたでしょうか。日本はもっぱら軟水が多く、私たちは飲み慣れています。一方、海外では硬水が多いということがわかりましたね。
どっちがよいというものではなく、メリット・デメリットがあります。
硬水のメリットはミネラルが豊富なことでしたが、どうしも味が苦手という人は天然水を選んでみてはどうでしょうか。
例えばウォーターサーバーのフレシャスは硬度80mgの軟水です。硬度は高めですが軟水なだけに味は飲みやすいですよ。500mlあたり98円ほどの金額なので意外とリーズナブルです。
軟水が好きだけど、ミネラルも多く取りたいという人は検討してみてはいかがでしょうか？